Intro

古代ローマ暦で元日にあたる3月1日に、エンガディン地方を中心としてグラウビュンデン州の各地で開催される祭り。村々によって多少の差異がありますが、子供たちが、冬の悪魔を追い払うため、鈴やカウベル、むちをもって大きな音を鳴らしながら行進。旧暦の正月として、1年が良い年になるようにと新年を祝う祭りでもありますが、春の到来を待ちわびる春祭りでもあります。

「チャランダChalanda(=月の最初の日)」と「マルツ Marz(=3月)」という祭りの名前が表すように、毎年3月1日に開催されます。

グラウビュンデン州がローマの属州として『ラエティアRaetia/レーティアンRätien』とよばれていた頃から受け継がれてきた風習で、サン・モリッツやサメーダン、チェレリーナ、ツォーツ、シュクオール、グアルダ、アルデッツ、セントなどのエンガディン地方を中心に、ミュスタイア谷、オーバーハルプシュタイン地方などのロマンシュ語圏のほか、グラウビュンデン州各地でおこなわれる伝統の祭りです。

隣接するイタリア語圏ではブレガリア谷で「カレンディマルツォCalendimarzo」、ポスキアーヴォ「プポック・ダ・マルツ Pupocc da marz」など名前が少し変わりますが、同じ祭りになります。

服装は青のスモッグに赤いマフラーやスカーフが基本のスタイルですが、中には紙でつくった色とりどりの花を頭に飾る村などもあります。

カーニバルのように大きな音をたてて冬を追い払い、春を待ちわびる祭りでもあるので、大きなカウベルを手にもって鳴らしながら村を練り歩きます。ウンターエンガディン地方の美しい村グアルダを舞台にしたアロイス・カリジェットの絵本「ウルスリのすず Schellen-Ursli」でもこの祭りの様子が描かれています。




チャランダマルツ
Chalandamarz

開催日: 3月1日
場所: グラウビュンデン州各地