ファルス(ヴァルス)
Intro
標高約1250m。スルセルヴァ地方のイランツから南にのびるヴァルス谷の奥にある美しい山村。隣接する谷を含む周辺がロマンシュ語圏でありながら独特のドイツ語方言を話し、中世の時代にヴァリス(ヴァレー)地方から移住してきたヴァルサー人の伝統を色濃く受け継いでいます。黒い珪岩の屋根の民家が特徴的。建築とスパの聖地としても知られています。
レーティッシュ鉄道のイランツ駅からポストバスで約40分。ファルサータール(ファルス谷)Valsertalの奥にある隠れ里。何百万年の時間をかけて、氷河や雨が侵食して形成された山の谷は、その小さな土地に驚くほどの多様性を秘めています。鉱石も採れますが、スイスを代表するミネラルウォーター『ファルサーVALSER』を産出する名水の里として有名です。
約30度の温泉が湧出しており、その温泉は古くから利用されてきましたが、近年、村の共同浴場だった湯治場を、建築界のノーベル賞プリツカー賞を近代建築家の巨匠ピーター・ズントー(ペータ・ツントー)がつくったスタイリッシュなスパで世界的に知られるようになりました。スパに隣接してつくられたデザインホテル『7132(※ヴァルス村の郵便番号)』は、ツントーのデザインルームに加え、2014/2015年にかけて隈研吾、安藤忠雄、トム・メインのデザインルームを加え、ひとつの建物でプリツカー賞を受賞したスイス、日本、アメリカの4巨匠の部屋がそろう特別なホテルとなり、建築を学ぶ学生や愛好家たちが集う、近代建築の聖地となっています。
隣接するルムネツィア谷などロマンシュ語圏に囲まれながらも独特のドイツ語方言を話し、特産の黒い珪岩スレートを屋根に用いた独特の建築様式など、中世の時代にヴァリス(ヴァレー)地方から移住してきたヴァルサー人の伝統を色濃く受け継いでいます。
谷の斜面での放牧のほか、昔ながらのスタイルを守る農家が多く、数年前からはオーガニック(無農薬)での生産のみにすることを決定。
のどかな牧草地に花々が咲き誇る春から雪景色が広がる冬まで、四季折々に美しい情景の中を歩くハイキングがおすすめ。谷奥にある、マッターホルンのような鋭角なフォルムで知られるツェルフレイラホルンZervreilahornと美しい人造湖(ダム)を訪ねてみても良いでしょう。冬には、標高約2900mのダッハベルグで、スキー、スノーボード、クロスカントリースキーなど、さまざまなスノースポーツが楽しめます。
言語 | ドイツ語 |
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カントン(州) |
グラウビュンデン州 Graubünden (GR) |
標高 | 1252m |