ミューズリー(ビルヒャー・ミューズリー)
Intro
スイス発祥の朝食。オートミール(オート麦)にドライフルーツ、ナッツ、種子類などを混ぜ合わせたシリアルに牛乳やヨーグルトなどをかけてふやかして食べるもの。もともとは健康食品として開発されたものですが、ヨーロッパを中心に朝食の主役のひとつになっています。
ミューズリーまたはその発明者である博士の名前をとってビルヒャー・ミューズリーとよばれる朝食の定番。スイス名物として広く知られています。1900年頃にチューリヒベルクのサナトリウム(療養所)にいたスイス人医師マクシミリアン・ビルヒャー=ベンナー医学博士 Maximilian Oskar Bircher-Benner, M.D. が患者のために開発した健康食です。
もともとはアルプス地方のハイキング中に食べた、山上の放牧地で牧夫たちが、仕事の合間にとっていた、しぼりたてのミルクを混ぜた非加熱の伝統的な食事から着想を得たといわれています。
オリジナルのレシピでは、約12時間ほど水につけてふやかした乾燥燕麦(オート麦)に、皮や種も丸ごとすりおろしたリンゴ、レモン汁、コンデンスミルク(練乳)に、好みで砕いた生のヘーゼルナッツやアーモンドなどのナッツ類を混ぜた、ローフードに非常に近いもの。皮ごとすりおろしたリンゴの色が褐色に変色するのを防ぐため、まめにかきまぜながら、お好みで砂糖や蜂蜜で甘くして味わいます。
イギリスのお粥として知られるオートミールが煮込んでつくられるのに対して、ミューズリーは生の素材をそのまま加熱せずに使うことも特徴的です。博士は健康のために、野菜や果物など、できるだけ”ローフード(生の食材)”を使用することを推奨していました。
山上の牧夫たちは生乳をいれていましたが、開発当時は冷蔵技術が発達していなかったため、練乳を使っていたと考えられています。現在ではフレッシュな牛乳やヨーグルトを混ぜるのがポピュラーです。
スイス旅行中に必ずホテルの朝食ビュッフェで体験できます。ホテルでは、すでに配合されて用意されているものもありますが、自分で押麦やナッツ、ドライフルーツ、ヨーグルトなど混ぜて、砂糖や蜂蜜を足したりしてお好みの配合でセルフでつくることもできます。