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スイス南部のチェネリ山(モンテ・チェネリ)を貫き、アルプスを南北に縦断する「チェネリベーストンネル」が開通。世界最長のゴッタルドベーストンネルを含め、構想から数十年の時間をかけたアルプス縦断鉄道の大プロジェクト「アルプトランジット計画」がここに完結しました。2020年12月13日のスイス国鉄ダイヤ改正から新しい基底トンネルを通る列車の運行がスタート。環境にもやさしく、ヨーロッパがさらに近くなります。ドイツ・ミュンヘンからイタリア・ミラノまでの旅は、より速く快適に、楽しめるでしょう。

ティチーノ州のルガーノ近郊ヴェツィアとマガディーノ平原のカモリノを結ぶ全長15.4キロメートルの「チェネリベーストンネル」が完成。これで2007年に開通したレッチベルグベーストンネル、2016年に開通したゴッタルドベーストンネルとあわせて、普通のトンネルよりも数百メートル低い場所に建設される基底トンネル(ベーストンネル)でアルプス山脈を南北に縦断する鉄道網をつくりあげ、ヨーロッパの交通地図を塗り替えるといわれた大プロジェクト「アルプトランジット計画 NEAT/ NFLA/ AlpTransit」の完了です。

この大プロジェクトにより、従来はトラックを使用していた物流が鉄道での貨物運搬へ移行することでCO2排出量を削減し、より地球に優しいサステイナブルな社会を実現します。また、ドイツやスイスからイタリアを結ぶ鉄道が速く、快適で便利になります。

チェネリベーストンネルの開通で、スイス南部のイタリア語圏ティチーノ州内の交通も便利になります。アルプスの玄関口で州都となるベリンツォーナと経済の中心地ルガーノ間の所要時間が27分から19分と約1/3短縮。各地の主要観光地へも今までより早く移動することができます。

また、ゴッタルドベーストンネルとチェネリベーストンネルの組み合わせで、中央スイス地方のアルトドルフからティチーノ地方のルガーノまで、間にそびえていたアルプス山脈の影響なく、連続したほぼ平坦な鉄道路線が実現。そのおかげで最高時速250 kmの高速列車の運行も可能になり、チューリヒからミラノ(伊)までの移動時間が大幅に短縮されます。2021年には現在より20分短縮して約3時間20分。さらにイタリア側の追加工事が完了すれば、現在より40分ほど短縮され、約3時間で移動できるようになります。将来的にはチューリヒからミラノ(伊)まで約2時間30分で移動できるようになるともいわれています。また、イタリアのジェノヴァとボローニャへの新しいダイレクト接続便も計画されています。これからは、スイス旅行の途中で、イタリアへの日帰り旅行も気軽に組み込むことができるでしょう。

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