数々の有名ブランドを持つ「スウォッチ・グループ」が拠点であるビール/ビエンヌに、オメガとスウォッチの博物館を統合して新しい時計の殿堂をオープン。坂茂氏の設計でつくられた美しい建築にも注目です。

フランス語で“時の都(時間の都市)”を意味する「シテ・デュ・タン」という名前は、ジュネーヴにあったスウォッチ・ミュージアムに名付けれていたもの。展示ごと本社に新しくつくられたスタイリッシュな建物に移転。ここにあったオメガ時計博物館と統合されました。

遊び心にあふれ常に時代と流行を発信する『スウォッチ』とスイスが誇る精密な高級時計の伝統を受け継ぐ『オメガ』という2つの時計ブランドを通して、奥深いスイス時計の世界を体験することができます。

オメガ本社の歴史的な建物とスウォッチ本社の間につくられた現代的なガラスのファサードが特徴的な建物の設計を手掛けたのは、世界的に有名な日本の建築家であり、建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞した坂茂氏。メインの建物の1階部分は、隣接するラ・ショードフォンで生まれたル・コルビュジエが提唱したピロティ(地上部分が柱を残した建築形式)。柱が支えるガラス張りで無機的で直線的な建物の上には、木材を使った天井格子にスイスのクロスが組み込まれた曲線を描く有機的なアーケード。相反する素材と構造が見事に融合しています。

サステイナビリティ(持続可能性)に配慮した建築で、使用した木材は100%スイスの森林からのもので、そのほとんどがトウヒです。館内で使用する電力は太陽光発電で生成。さらに地下水を利用して循環させることで冷暖房をまかなっています。

この美しく光あふれる建物に、世界的に有名な時計ブランド「オメガ OMEGA」の時計博物館がリニューアル。有名人に愛された時計やオリンピックや宇宙計画などの大きなプロジェクト用の特別モデルなど、時代とともに歴史的な時を刻んできたオメガならではの時計の数々は必見。新しくなった革新的で、巨大な時計の中に入っていろいろ体験できるインターラクティブな展示スタイルにも注目です。

オメガの時計博物館とは対照的に、カラフルでポップな展示スペースが特徴の「プラネット・スウォッチ」は、スウォッチが登場した1983年から現在までにリリースされたすべてのモデルを見ることができる世界唯一の施設です。数多くのアーティストが手がけた個性的な作品は必見。

二つのミュージアムともに入場無料で楽しめます。時計好きなら必訪のスポットです。
※現在、新型コロナ感染拡大防止のため、一時的に閉館しております。

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