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アルプス山脈が占める山国ヴァレー州を代表する特産品のドライビーフ。

概要・説明

記録に残る製造の歴史は14世紀までさかのぼります。長い伝統のなかでその土地でうまれ、土地の名前がついたものに正しいお墨付きを与えるためにつくられたEUの原産地名称保護制度で認定されています。


塩やハーブ、スパイスなどを質の高い牛肉のモモ肉になじませ、山小屋の軒下や屋根裏など風通しのよいところに吊るして、最低でも6週間は、空気で乾燥させてつくるドライビーフ。もともとは山岳地方に伝わる保存食のひとつ。

カンナのような道具で薄くスライスしたものを、そのまま手でつまんで食べるか、バターを塗ったパンの上にのせて食べたりします。同じくヴァレー州の特産品として名高いヴァレーのライ麦パンやフルーティーな白ワイン「ファンダン」と相性抜群。ブドウ畑やアルプスの山々を眺めながら、光がふりそそぐ屋外のテラスで食べたりすると最高です。

ヴァレー州はフランス語とドイツ語の両方を用いる州なので、フランス語では「ヴィアンド・セシェ・デュ・ヴァレー Viande séchée」、ドイツ語で「ヴァリサー・トロッケンフライシュWalliser Trockenfleisch」といいます。直訳するとヴァレー州(ヴァリス州)の乾燥肉という意味です。


※同じくアルプスを代表するグラウビュンデン州の特産品にはドライビーフがあります。フライシュ(肉)というドイツ語に、ご当地の名前を冠して「ビュンドナーフライシュ」といいます。
※フランス語でIGP(Indication géographique protégée)または英語でPGI(Protected geographical indication)と表記される「地理的表示保護」は、伝統や地域に根ざした特産品の品質保護と保証のため欧州連合(EU)のEU法が規定する制度で、産品と定められた地域を原産とするものを、伝統的に受け継がれた製法で生産または加工または調整されているもの