コレラ: ヴァレー州のミックスパイ
Intro
ヴァレー州の伝統的な料理。ジャガイモ、野菜、果物、チーズを詰めたパイで、とくにヴァレー州北部のドイツ語圏で特に人気の郷土料理です。
概要・説明
卵黄を塗ったショートクラストペストリー(タルト生地)またはパイ生地にリンゴや梨などの地元の食材、ネギ、玉ねぎのみじん切り、チーズ、乾燥肉または燻製肉、少量の塩コショウを加えて味付けしたフィリング(詰め物)を、調理せずにそのまま生地につめて焼いた風味豊かなパイです。フランスのキッシュなどとは異なり、クリームや卵を使用していないので、中身は意外とあっさりしています。
Cholera/ Cholleri /Chouera/ Choléraなどいろいろな綴りで書かれる「コレラ」という名前の由来は、1830年代にヴァレー州を苦しめたコレラの大流行にちなんでいるといわれてきました。当時、病気の蔓延を阻止するために人々は家に閉じこもっており、地下室や納屋に備蓄してあった食料であったリンゴ、梨、ジャガイモ、タマネギ、ネギ、チーズ、ベーコンやドライビーフなどの乾燥肉または燻製肉など、その時にあった食材をいれてつくったパイといわれています。
最近では、スイス政府や研究者たちが別の語源を推測しています。この郷土料理の発祥地であるヴァレー州北部で木炭のことを「chola(コーラ)」または「cholu(コール)」というため、木炭を使った調理法やオーブンをコールと呼ぶこともあるため、それが語源ではないかとも考えられています。
もともとは山岳地方の家庭で備蓄している食材をつめて焼いた素朴なパイでしたが、今ではレストランの有名シェフもこの郷土料理をアレンジしてメニューに取り入れたりしています。