ヴァッレ・ディ・ロダーノ(ロダーノ谷)
Overview
Intro
スイス南部イタリア語圏、ロカルノ近郊のヴァッレマッジア地方にある支谷。約806ヘクタールの古代のブナ林は、約6000年前の最終氷河期に続く南アルプス地域のブナ林の拡大の特別なモデルケースとして、2021年7月にエリア拡張された世界遺産「カルパティア山脈とヨーロッパ各地の古代及び原生ブナ林」に登録されました。場所によって異なる環境から、このブナの原生林のほか、広葉樹林から針葉樹林まで多様な森があり、多彩な動植物をみることができます。
谷を流れるマッジア川の下流のロダーノ村を中心として枝分かれした谷は、動植物が種類が豊富で、希少な生態系が残る大きな森林保護区があります。約806ヘクタールの古代のブナ林は、約6000年前の最終氷河期に続く南アルプス地域のブナ林の拡大の特別なモデルケースとして、2021年7月にエリア拡張された世界遺産「カルパティア山脈とヨーロッパ各地の古代及び原生ブナ林」に登録されました。気候的および地質学的な遷移したエリアで、高さと勾配のある山地、珪質岩盤など、世界遺産に認定されたヨーロッパに残る特別なブナ林(ブナが優位の森)の特徴を示しています。
▶︎世界遺産「カルパティア山脈とヨーロッパ各地の古代及び原生ブナ林」
この谷は、その不均一な形態から場所によって異なる多様な森があります。低い丘陵地帯は、栗林と白樺の森、温暖な気候の峡谷やガラ地にはライムの森、最も乾燥した地域にはオーク(樫)の木々があります。標高の高い山岳地帯はブナの木々が優勢で、特に谷の左側には、世界遺産に認定された古代のブナ林、原生林の純粋な形がそのまま残されています。日陰となる谷の反対側では、ブナの木々にモミの木が混ざり、亜高山帯はカラマツを中心にトウヒなどヨーロッパの代表的な針葉樹林の森がみられます。
ひとつの谷の中に異なる気象条件、地質環境が存在し、谷の草原からアルプ(山上の牧草地)、多彩な木々の森までさまざまな地形を包括するこの地の生物学的多様性は特筆すべきもの。180種のキノコ類(菌類)、240種の植物のほか、680種を超える動植物が生育しています。牧草地では、50種の蝶や22種のバッタ、42種のアリなどの昆虫類をみることができます。また、森に生息する鳥の多様性にも注目です。キンメフクロウ、シロエリヒタキ、エゾライチョウなど45種の鳥類が記録されています。さらに高山地帯ではアイベックスやマーモットなどアルプスの代表的な野生動物から、亜高山帯の草原にいるピグミートガリネズミやスノーハタネズミなどの最小のものまで、22種の哺乳類が確認させています。
まさに希少種や絶滅危惧種の聖地。 ここでは森林保護区を設立し、草地が保全・維持されているため、何世紀にもわたり多様な生命が育まれてきました。数百年前にこの谷を歩いた木こりや農民と同じ、植物や昆虫、動物、鳥などに出合うことができる感動のワンダーランドです。