ピラトゥス
Intro
太古の昔から住んでいたといわれる竜の話をはじめ数々の伝説をもつ山。スイスの中央部に位置しており、標高約2100mの山頂からは奥に連なるアルプスの山々と美しい湖、牧歌的な谷がひとつになった大パノラマが広がっています。
標高2128m、切り立った険しい岩石がそそりたつ幻想的な山に、昔の人は畏怖をもっており、竜が岩を空から落としてつくられたという物語や、新約聖書の中でイエス・キリストの処刑に関与した総督ポンティウス・ピラトゥスが埋められたなど、さまざまな伝説が語り継がれています。
19世紀からはその神秘的なイメージと眼下に広がる雄大な絶景を求めて、英国のヴィクトリア女王やスペインのカルロス王など王侯貴族や音楽家リヒャルト・ワーグナーなど著名人をはじめ、多くの観光客が訪れました。
昔も今も変わらない有名な観光名所として広く知られるピラトゥスの山頂にはアルプナッハシュタートから登山鉄道またはクリエンスからロープウェイで結びます。
アルプナッハシュタートからは世界最急勾配の歯車式鉄道(最大傾斜48%)が山頂へ結びます。森を抜けて、森林限界をこえると険しい岩の間を登っていくアトラクションのような鉄道の旅です。
山の北側のクリエンスからはゴンドラリフトとロープウェイで結びます。途中駅のフレックミュンテックから山頂までは、2015年にリニューアルした「ドラゴン・ライド」と呼ばれる新型ロープウェイです。
スケルトンに近い大型窓に囲まれた展望キャビンから、ルツェルンの町や湖、素晴らしいアルプスの眺望が楽しめます。窓に面して配置された特別な12席のパノラマシートもあり、まるで飛行機のコックピット(操縦席)に乗って空を飛んでいるような雰囲気を味わうことができます。
ルツェルンからアルプナッハシュタートまでは鉄道でもアクセスできますが、ここを湖船の旅にして、湖船、登山鉄道、ロープウェイと3つの乗り物を楽しみながらの周遊がおすすめです。
スイス全土が氷土に覆われた氷河期に、ヌナタク*といわれる氷上に突き出た地形だったピラトゥス山の一帯は、山頂を中心に氷河期を乗り越えた種を含む、豊富な高山植物が見られます。山の中腹に広がる草原や湿地帯などに咲く花々を含め、約900種類の植物が自生しており、高山植物は全て保護指定されています。
山頂駅ピラトゥス・クルムから、横に連なるトムリスホルン山頂へ歩くコース「フラワートレイル(花の道)」など多彩なハイキングが楽しめます。
▶︎ピラトゥス鉄道の情報
▶︎ピラトゥス・ロープウェイの情報
▶︎ホテル・ピラトゥス・クルムの情報